不動産投資を始める際、多くの方が最初に気にするのが「どれくらい儲かるのか」という点です。その判断基準として重要なのが 利回り と キャッシュフロー です。この2つを正しく理解することで、物件選びや資金計画の精度が大きく変わります。
利回りとは、投資額に対してどのくらいの収益を生むのかを示す指標です。大きく分けて「表面利回り」と「実質利回り(ネット利回り)」があります。
利回りは高いほど魅力的に見えますが、築年数が古い物件や地方エリアなどは空室リスクや修繕リスクが大きいため、「高利回り=良い投資」とは限りません。
キャッシュフローとは、実際に手元に残る現金の増減を意味します。不動産投資では、家賃収入からローン返済、管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険料などを差し引いた後に残る金額がキャッシュフローです。
たとえ利回りが高くても、ローン返済や諸経費を引いた結果キャッシュフローが赤字になれば投資としては苦しい展開になります。そのため、購入前の試算段階で「毎月いくら残るのか」を具体的にシミュレーションすることが不可欠です。
利回りは「投資効率」を示す指標、キャッシュフローは「実際の収益」を示す指標です。両者は密接に関係していますが、視点が異なります。
例えば、フルローンで高額な物件を購入すれば、利回りはまずまずでもローン返済が重くのしかかりキャッシュフローが赤字になるケースがあります。逆に頭金を多めに入れればキャッシュフローは安定しますが、投下資金に対する効率(利回り)は下がります。
このバランスをどう取るかが、不動産投資の成否を分けるポイントです。
不動産投資において「利回り」と「キャッシュフロー」は車の両輪のような存在です。利回りを追い求めすぎるとリスクが高まり、キャッシュフローを重視しすぎると効率が下がります。大切なのは、自身の投資目的やライフプランに合わせて、両者のバランスを意識した物件選びを行うことです。
不動産投資を成功させるためには、単なる数字の比較ではなく、「安定してキャッシュフローを生み出し、長期的に資産価値を維持できるかどうか」をしっかり見極めることが重要といえるでしょう。